金価格の上昇とヘッジブックとの関係は?
金投資の基本として、金価格が上昇すると、ヘッジブックを持たない金鉱山株が上昇するというものがあります。
つまり、ヘッジブックを持たない金鉱山会社の株価というのは、将来上昇することを見越して上げる場合があるので、業績の結果が出る前に思惑で急上昇することがあるのです。
反対に、将来の金価格が下落すると予測してヘッジブックを抱えてしまった会社は、ヘッジした時点でリース分の「金」を戻し供給しなければならなくなりますので、それが収益を圧迫することから経営に甚大な影響を与えることになります。
金(ゴールド)と米ドルは逆相関関係?
長期間で見ると、「金」と米ドル相場とはおおよそ逆相関関係になっています。
これは、基軸通貨である米ドルの価値が下落した場合、それに対してのヘッジとして安全資産としての「金」に資産が向うからにほかなりません。
なので、9.11の米同時多発テロ事件の際も、その直近に同じような動きをしました。
具体的には、2001年9月11日のLondon FIXの金取引価格は、午前が271.4ドル/1トロイオンス、午後が287ドル/1トロイオンスで、5.7%上昇しました。
一方、9月11日のインターバンクレートの1ドルの円為替取引の日平均が120.951ドル、翌12日が119.13ドルと1.5%ドルが安くなっています。
ちなみに、1ドルのユーロ為替取引においても、11日が1.1124ドル、12日が1.0935ドルで、ユーロに対しても1.7%ドル安となりました。
アメリカ経済が好調だと金価格は下がるの?
もともと利息を生まない「金」の価値というのは、アメリカ経済が好調であるなどの理由によって、預金や国債のプレミアムが上昇すると下がります。
ちなみに、1999年のワシントン合意も、各国中央銀行による「金」の売却に歯止めをかける措置として合意形成がなされ、中央銀行保有の金売却の枠組みが施行されたものなのです。
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