資本移転収支とは?
資本移転収支というのは、資本の移転取引にともない計上される収支のことをいいます。
取引の対価を伴わない援助とか無償資金協力という点においては、経常移転収支と似ていますが、わかりやすくいうと、資本形成に関わる無償資金援助などが資本移転収支となり、それ以外の移転取引は経常移転取引になるということです。
例えば、ある開発途上国に日本が援助を行い道路が建設されたとしますと、これは、形のある資産として後の世代に残ります。
このように、固定資産の形成のための資金援助をした場合には、資本移転収支として国際収支統計に計上されます。
なお、日本は開発途上国に対して、政府開発援助(ODA)として道路や橋梁(きょうりょう)、空港、港湾など公的な社会資本形成のために多大な貢献を行っていますが、これにより、資本移転収支は、毎年赤字が続いています。
その他の資産とは?
その他の資産というのは、特許権、著作権、商標権など非生産・非金融資産を計上する項目のことです。
例えば、特許を取得して、その権利を外国企業などに売った場合などは、日本にお金が入ってきますので、日本側の収入となりプラスとして計上されます。
反対に、外国の有名ブランドなどの商標権を外国企業から買った場合には、その支払ったお金はマイナスとして国際収支統計上のその他の資産に計上されることになります。
ただし、特許などの権利そのものを取得するのではなく、使用するだけであれば、その使用料はサービス収支の計上になります。 |