経常収支に計上されるのはどのようなものですか?
例えば、経常収支について、日本の企業が、サウジアラビアから原油を輸入するとします。
この場合、原油を輸入する日本の企業は、支払代金に相当する円を貿易手形で日本の銀行に払い込みます。
このとき、日本の銀行と原油輸入会社との間で決められる為替レートは、対顧客レートとは別に、ディーリングとしての市場の相場になります。
そして、次に、日本の銀行は、受け取った貿易手形を現金化(円資金)して、サウジアラビアの原油輸出会社の決済銀行であるアメリカの銀行に米ドルで支払います。
このようにしてなされた原油輸入代金の支払いは、経常収支(貿易収支)として日銀に報告されます。
資本収支に計上されるのはどのようなものですか?
例えば、日本の個人投資家が、中国株で運用する投資信託を購入したとします。このとき、まず投資家は、窓口になる証券会社等の金融機関に投資信託の購入代金を円で支払います。
その金融機関から買付代金を受け取った投資信託会社は、この円資金を信託銀行に振り込み、信託銀行は投資信託会社の指示を受けて、円を中国・人民元に交換します。
次に、投資信託会社は提携している中国の証券会社に、上海株式市場での中国株の購入を指示し、約定できるとその証券会社が指定する中国の銀行口座に買付代金を人民元で支払うよう信託銀行に求めます。
なお、この受渡代金の送金は、資本収支として信託銀行が日銀に報告します。 |