なぜ原油価格が暴騰すると小麦の価格も暴騰するのですか?
商品価格の上昇は、豊かになった新興国の人々による、食糧需要の増大もありますが、実は原油価格が上昇したことにより、食料価格にも思わぬ影響が出ているのです。
というのは、代替エネルギーと呼ばれる、穀物から作られるアルコール類に、世界の注目が一気に集まったからです。
具体的には、とうもろこしやサトウキビから作られるバイオエタノールは、石油に代わる燃料として期待されています。
石油の価格が上昇したことによって、こうした代替エネルギーへの移行も刺激され、それらの穀物価格も急騰したのです。
ちなみに、小麦の輸出国であるアメリカでは、小麦よりとうもろこしを作るほうが高い利益となることから、転作する農家が続出しました。
こうした結果、小麦の供給量が減少し、価格が上昇したのです。
なお、新興国の人々が豊かになったことで、世界的にエネルギーや食料品の需要が増大したわけですが、今後も世界的なインフレの火種になる可能性があるといえます。
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