「金」はドルの裏返し? 
                   かつては「金はドルの裏返し」といわれるように、ドル安になれば金価格が上昇し、ドル高になれば金価格が下落する傾向にありました。 
                     
                    しかしながら、近年は、ドル高と金高が同時進行するという「市況の法則」に反する減少がしばしば見られるようになっています。 
                     
                    これは、不安が解消されないドルが、単に相対的にユーロよりはマシという評価基準で買われるという、悪いドル高の中で、「金」も買われているということです。 
                     
                    なので、これがもし良いドル高、つまり米国経済が本当の意味で回復してドルが買われるのであれば、その時「金」は売られることになると思われます。 
                  「金」はなぜ無国籍通貨として買われるの? 
                   「金」が無国籍通貨として買われるのは、一国の経済に対する信用度に左右されない独自の価値を持っているからです。 
                  ソブリンリスクで「金」需要が増加する? 
                   近年、EU圏の一部の国々にはデフォルト(国債の債務不履行)リスクが取り沙汰され、債券格付けが引き下げられるケースが相次いでいます。 
                     
                    これをソブリン(国家)リスクともいいますが、こうした国の信用度の低下が深刻な問題になればなるほど、通貨の原点回帰として「金」への通貨分散が進むと考えられます。 
                     
                    なお、2009年1〜6月の最新金需給統計では、欧州の金投資需要が前年同期比6倍へと急増し、過去最大級の伸びをしめしているそうです。 
                     
                    ちなみに、その80%が、欧州の中で最も金融システムが堅固であるといわれているスイスとドイツに集中しているということです。 
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