「金」の価値は希少性にあり
もともと「金(ゴールド)」の価値というのは、その希少性にあります。有史以来発掘された「金」の総量は16万トン強ですから、これは容積に換算するとオリンピックプール3杯分にすぎません。
また、これ以外に、地球全体での「金」の埋蔵量は、確認されているだけで約7万トン、これはプール1杯半です(今後確認埋蔵量は増える可能性はあります)。
しかも、埋蔵されているのは、南アフリカ共和国の地下4,000メートルという奥深い地底や、日本ですと静岡・伊豆半島沖の海底というような、採掘コストが膨大にかかるところです。
さらに、金鉱石1トンから採れる純粋な「金」というのは5gにも満たないので、もし採掘できたとしても、現在のように年間2,400トンペースで生産していけば、30年後には枯渇してしまう計算になります。
金市場は構造的な産金不足の時代に
この10年ほどで金価格はおよそ3倍に上昇してきましたが、世界の金生産量というのは年々減少しています。
なので、今後も世界の金生産量が増加ペースに転じるとは考えにくい状況です。
1980年代に金価格が上昇した時には、世界的な増産ラッシュが起こり金市場は長期にわたり供給過剰に陥りましたが、現在は当時とは対照的な需給環境にあるといってもいいのです。
よって、今後の金市場は構造的な産金不足の時代に入り、リサイクルに頼らざるを得ない状況となりますので、「金」の希少資源としての価値は増していくと思われます。 |