実物資産への回帰が進んだ理由は?
サブプライムローン問題に端を発する金融危機により、世界中の投資家は保有する株や債券などのいわゆる“ペーパー資産”が、文字通り紙クズ同然になってしまうという苦い経験を強いられました。
また、複雑な仕組みのデリバティブ(金融派生商品)も中身はガラクタ同然の価値の低い商品であったというケースが多発しました。
こうしたことを背景に、発行体の信用により成り立ってきた金融商品の信頼は大きく揺らぎ、その反動から、“実物資産”への回帰が進んでいます。
そして、そのシンプルさとわかりやすさの代表格として、「金(ゴールド)」が選好されているといえます。
世界的な超低金利
「金」の最大欠点は、それを資産として保有していても利子を生まないことといえます。
ただし、「金」には利息も配当もないわけですが、日米欧が実質的なゼロ金利政策で足並みを揃えているような現状においては、この最大のデメリットが打ち消される結果となることも事実です。
つまり、銀行預金をしていても資産は殖えず、紙幣の価値も薄まってくる状況では、消去法で「金」が浮上してくるというわけです。
よって、金利低下は「金」にとっては追い風といえます。 |